高山研Newsletter (No.39,2004年2月)
福岡大学の入学試験も無事に終了し、4年生の成績発表も済んで、大学は静かになりました。
入学試験の時は雪もちらつく寒さだったのに対し、この頃は暖かくなってきました。
さて、九州国立博物館(仮称)が今年の3月末に竣工します。東京、奈良、京都に次ぐ4番目の国立博物館となります。久米設計の取り計らいにより、竣工間際の建物を見学する機会がありましたので、概要を報告します。
博物館は福岡県太宰府市にあり、3方を山に囲まれています。太宰府駅からも歩いて15分くらいで行くことができます。
建物の規模は、地下2階、地上5階、最高高さ36m、敷地面積15,204m2、延べ床面積28,797m2となっています。構造は、S造とSRC造で、一部免震構造です。建物の構造上の特徴は、鉄骨造の大屋根(約200m×80m)に博物館が覆われていることでしょうか。大屋根の南北面はガラスカーテンウオールで、周りの木々をガラス面に移します。
歩いて現場に近づくと、まず建物の大きさに驚きます。独特の形状をもった屋根形状(この形状は元の山の形状に似せたとか)と青く輝くチタンの屋根が印象的です。
建物外観
(南面)
建物外観
(東面)
建物外観
(北面)
博物館へのアプローチの一つであるトンネルとレストラン
建物の内部は九州の木材を多く使用した内装となっています。屋根には丸太を配置し、壁などにも木材を多用しています。また、照明にも凝っているようで、照明が点灯された時の雰囲気も良いようです。
2階は2800m2の収蔵庫と調査研究室・保存処理室・管理諸室からなります。収蔵庫には調湿材の上に天然杉材(15mm厚)を張って仕上げてあり、内部にはいると杉材の良い香りがします。構造体の施工でも極力乾式工法を採用することで、湿気を防ぐようにされています。なお、研究室などは通常一般の方は入れませんが、この博物館では見学が出来るようになるとのことでした。
この建物の総工費(外構工事を除き)は280億円。m2当たり約100万円の建物となります。竣工は3月ですが、その後、外構工事や展示物の搬入などを経て、2005年10月に開館予定とのことです。
見学したのが土曜日で、暖かい日でしたので、太宰府天満宮には大勢の観光客がいました。天満宮のご神木である「飛梅」も満開でした。春はもう近いです!
(平成16年2月22日 高山峯夫 記)
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