高山研Newsletter (No.14)

 

 

  すっかり春らしくなり、時には汗ばむ程の季節となりました。

  ゴールデンウイークはいつも通り、研究室で原稿を書いたり、講義の準備をしたりしていました。この時期は、帰省した卒業生が訪ねてくれることも多いので、必ずといって良いほど大学にいます。今年は、卒業生が赤ん坊を連れて訪問してくれたり、結婚の報告に来てくれたりしました。そんな中、筍掘りに行って来ました。知り合いの竹林で初めて筍を掘りました。筍の成長力と地下茎の強さに感心しながら地中に埋まっている筍と格闘しました。筋肉痛が多少残りましたが、大変良いリフレッシュになりました。

  2年前から建築学会で作業をしてきた免震構造設計指針の改定が先月ようやく脱稿しました。これから校正などの作業がありますが、8月末に出版予定です。9月には講習会が東京会場を皮切りに全国で行われます。免震構造も高層建物、病院建築、戸建住宅、耐震補強(免震レトロフィット)などへと適用を拡大しています。免震構造に関する告示も昨年出されましたが、当初の期待とは裏腹に設計の自由度を奪うのではないかと危惧しています。免震構造設計指針では免震建物の性能をどうやって評価すべきかを学会の立場から述べており、当然ながら告示とは違ったスタンスにあります。

  先月末、大阪の中之島にある中央公会堂の保存・再生工事を見学する機会がありました。大正7年に竣工した中央公会堂を免震構法で耐震補強し、併せて利便性・機能性の向上が行われます。また、住宅免震も少しずつですが、増えてきているようです。採用を増やすには、価格の問題が大きいと思いますが、車のように免震性能にグレードを設けることも考えて良いかもしれません。ただ車のように単純に性能評価ができない難しさはあります。

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工事前の中之島中央公会堂

  大学では前期講義が開始されて1ヶ月、新入生もキャンパス生活に慣れてきた頃でしょうか。研究室の学生は、就職活動にいそしんでいます(学生ごとに温度差はありますが)。そろそろ内々定をもらった学生も出始めているようです。就職先の希望としては、従来ゼネコンが60%以上を占めていましたが、今年は住宅メーカー希望が増えているようです。「住宅」という身近にあるものを扱うからかもしれません。どこを目指すにしろ昔に比べ学生に活気が少なくなってきているように感じるのは取り越し苦労でしょうか。

 

 (平成13年5月11日 高山峯夫記)

 

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