高山研Newsletter (No.17)

 

残暑お見舞い申し上げます。まだまだ暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
大学は夏期休暇に入り、キャンパスは静けさを取り戻しています。

そんな中、8月4日にはオープンキャンパスが開催され、大勢の高校生が大学に集まってきました。工学部でもある程度の予算が認められたことで、参加者にはジュースを配布するなど例年以上の対応がなされました。建築学科では、設計図や模型の展示、CADの体験、サーモグラフによる温度の測定、構造関係施設の見学などが各研究室ごとに担当して行われました。高山研究室でも第二構造力学実験室を公開して、免震構造や制震構造の紹介をしました。ただ、実験室は冷房設備がないため、説明する側、聞く側にとって厳しいものとなりました。そんな中でも一生懸命に聞いてくれる参加者にはついつい熱心に説明をしてしまうのでした。専門用語を使わずにいかにわかりやすく説明をするか、はいつも悩みます。もっとビジュアルなパネルや模型を準備する必要がありそうです。

当実験室が建築学科の建物から少し離れていることから、見学者は他の施設に比べ少なくなる傾向にあります。3年ほど前から、研究室の4年生に誘導・案内係りをお願いして、高校生を実験室まで連れてきてもらうようにしました。昨年からは同じユニフォームを着用するようにしており、今年はボーダーラインのポロシャツでした。その甲斐があって、今年の見学者は100名程度となりました。しかし、建築学科の中に「構造」という分野があることを知らない学生も多く、建築学科の全体像を説明する機会を設ける必要もあるのかもしれません。

大学がオープンキャンパスに一生懸命になるのは、受験生の減少に頭を悩ませているからでしょう。ただ単に受験生を増やすだけでは問題の本質は解決しません。社会が求める卒業生の能力、それを達成する教育制度、地域社会との連携など解決すべき課題はたくさんあります。教育体制に関係する話題としては、日本技術者教育認定機構(JABEE、ジャビー、http://www.jabee.org/)への対応があります。これは教育のレベルを認定しようというもので、アメリカ(ABET、http://www.abet.org/)などではずいぶん前から行われてきているものです。日本の建築技術者養成カリキュラムは欧米とは異なっています。欧米では、建築家の養成と建設技術者の養成は全く別のコースとなっているのに対して、日本では一緒になっているのです。そういった点から、建築学科ではどのような能力をもった学生を養成しようとするのか、といった目標あるいはイメージを確立することが求められています。

ここでお知らせが2件あります。

まず、9月7日には耐震工学研究会の特別シンポジウムを開催します。テーマは「建築基準法の改正を斬る!」です。多田英之氏、秋山 宏氏、神田 順氏、川口 衞氏、渡辺邦夫氏をパネリストにお迎えし、建築基準法の改正に対する議論を行うことにしています。会場は建築会館ホール(東京都港区芝)です。詳細は耐震工学研究会のホームページ(http://www.eenix.gr.jp/)をご覧ください。

これは前回のNewsletterでも紹介しました。免震構造設計指針は1993年に第二版が出版されましたが、ようやく第三版がまもなく出版されます。9月上旬の予定です。それに伴い、講習会を各地で開催します。8年ぶりの改訂ですので、たくさんの方に講習会にご参加いただきたいと思っています。詳細は建築雑誌7月号をご覧ください。ちなみに9月12日は東京(建築会館ホール、300名)、9月14日が札幌(ホテルノースシティ、50名)、9月18日が福岡(福岡建設会館、150名)、9月27日が大阪(建設交流間館、200名)、9月28日が高松(高松テルサ、70名)です。括弧内の数字は、各会場の定員です。参加費は建築学会会員が12,000円(テキスト代含む)です。会場に満員の参加者を前に説明をしたいものです。

(平成13年8月12日高山峯夫記)

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