高山研Newsletter (No.12)

 

3月にもあっという間に半分が過ぎ去ってしまいました。
Newsletterを更新するのも遅くなりました。

4年生は、それぞれ卒業旅行に行ったり、帰省したりして、大学に来ることは少なくなりました。
今は、新しい研究生(3年生)が中心となってゼミの活動をしています。3年生には自己紹介のためのホームページを作成するように言っていますので、4月になればメンバーを紹介できる予定です。

3年生は既に就職活動を初めています。昨年よりも活動が早くなっているようで、一部の学生は進路を決めるのにあたふたしているようです。今後も就職活動の時期が早くなると、3年生の後半の早い時期から就職の準備をする必要がありそうです。ただ、就職状況は昨年同様厳しいのが現実です。OBの方で就職情報などがあれば、メールででもご一報頂ければ幸いです。

来週23日は、本校の卒業式が開催され、4年生は卒業となります。高山研の卒業生の中の数名は就職先が決まっていません。公務員を目指すひと、インテリア関係を志望しているひと。就職が決まっているひとも、決まっていないひとも、社会人として、目標に向かって邁進して頂きたいと思います。

753」現象。就職しても、中卒で七割、高卒で五割、大卒で三割が会社を辞めるそうです。平成12年度版労働白書によると、四年制大学を卒業し、厳しい就職戦線をくぐり抜けて就職した若者の33.6%が、3年以内に辞めていく。(週刊東洋経済、2001.3.3号より)

今やIT革命全盛の時代。何事も情報を早く得て、素早く変身する時代なのでしょうか。ただ、技術を身につけるためには、少なくとも3年や5年以上は必要だと思います。何か躓きそうになったら、研究室に遊びに来て下さい。

 

既にプレス発表もされているためご存じの方もいるかも知れません。5年位前に製造されたあるメーカーのU180型鉛ダンパーに不具合が見つかったため、その時期の製品を回収して性能の確認試験が行われました。不具合とは、鉛部とフランジ部の溶着部分が剥離したというものです。

U180型鉛ダンパーの開発は1991年から始められ、1994年に限界性能まで含めた過酷な試験が行われ、使用限界などがある程度把握されました。この時、溶着部分が剥がれるなどといった現象は記録されていません。しかし、それ以降、このメーカーの製品に対する同様な試験は行われていません。途中、何回か製品検査として限界性能試験が実施されておれば、不良品の早期発見は可能であったかもしれません。

この様なことが行われなかったことは、メーカーだけでなく、免震部材に関する設計者や施工者の認識が足りなかったことも一因であると思います。鉛ダンパーに限らず、免震部材一般の製品検査法は未だ確立されていないのが現状です。従って、設計目標に照らして免震部材の製品検査法としてふさわしい性能検査法の採用を心がける必要があります。

現在の製造方法による製品を用いた試験も実施された結果、溶着部の不具合は観察されませんでした。メーカーは製品の交換を含めた対応をする予定と聞いています。ある意味免震構造だからこそ、部材の交換や検査がある程度容易に可能であったとも言えます。鉛ダンパーのメーカーには他にもう1社あり、鉛ダンパーの供給ができなくなる状況ではありません。

ともかく、きちんとした製作をし、きちんと性能を確認することが肝要だと思います。

H1303.jpg (11104 バイト)

 (平成13年3月14日 高山峯夫記)

 

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