八代市立博物館 外観と内部空間のギャップ

二階のオブジェ。一階ではこれがトップライトの働きをしている。 
(福山嘉郎)

この博物館は周辺が人工的に造られた丘になっている。丘は緑の芝生で覆われており、これが意外にメタリックな建物と調和がとれている。外観から見ると外壁がカーテンウォールになっており開放的な建物に思われるが、内部空間はそれとは対照的で閉鎖的な雰囲気に驚かされる。

展示品は八代の文化や歴史を紹介するものであり、簡単に移動できるようにそのほとんどが可動式のガラスケースに入れられている。入口には段差がなくバリアフリーに、他にもスロープ、エレベーターが設けられており、障害者への配慮もされている。また、火災時に煙が広がるのを防ぐ防煙垂れ壁も設けられていた。階段の手すりは屋根に合わせるように波のようにうねっていて統一感は感じられたが、機能的な面を考えるとあまり良い印象は受けなかった。一階の天井にある三角形のトップライトは一階では柔らかな光を取り入れ、二階ではオブジェの様な役割も果たしている。

芝生の丘は地域の子供たちの遊び場となっている。建物は博物館としてだけではなく、講義室やカフェなど地域の人々の交流の場にもなりうる街の中心となっているように思えた。(福山 嘉郎)

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