
吹き抜けに面したベランダには目隠しが目立つ(市丸友理) |
6, 7, 9, 10, 14棟と集会場は坂本一成によって計画された。この住棟は団地中央を縦断する中央緑道を住棟内部までピロティーや住棟横断道路によって引き込み、住棟横断道路上部が半戸外的な吹抜けとなるよう住戸を囲むように配されている。このことは住棟と団地内との滑らかな領域的関係を形成し、また屋内空間と屋外空間の連続性を生み出しており、パブリックな領域からプライベートな領域までを緩やかに連続させようとしている設計者の意図がはっきりと見てとれる住棟であった。しかし、ピロティーや住棟横断道路には各棟ばらつきが目立つ。特にピロティーであるが、中央緑道に面し上手く機能している棟もあれば、全面が駐車場となり暗く機能出来ていない棟も見られた。また住民の話によると住棟横断道路や吹き抜けは各住戸に採光と通風といった居住性にまで効果を見せてはいるが、その反面吹き抜けに面したベランダや窓への視線が非常に気になるとのこと。設計者の意図と実際生活する住民とのバランスの取り方の難しさを痛感させられる点であった。
住棟と住棟の間に配された集会所は利用頻度が高く住民に好評ではあったが、台形となっている集会室の形状は面積のわりに入る人数が制限されてしまい唯一気になる点である。(市丸友理) |