
本当にテカテカ!これほどまでとは…。かなり目立ちます。(小野良介) |
この建物は泣く子も黙る警察署であるが、設計者 篠原一男は警察のイメージを一新するようなデザインと称している。しかし、建物の前面駐車場にはパトカーなどの車が何台も停まっており、設計者の意図とは異なり、やはり警察署だなぁ、というイメージを強く受けた。
ロビーに入ると、ファサードの明るいイメージとはまったく対照的で、その印象はとても薄暗いどんよりした感じを受けた。その原因は正面全体にハーフミラーを使っているからであろう。外から見た場合は、テカテカのガラス張りでひときわ明るい感じなのだが、内部ではそのハーフミラーが光を暗い感じに変えてしまい、逆効果であったように思われた。またロビーはマッシブな構造体がむき出しになっていて、光りに加え見た目も重々しい雰囲気になっていたような気がする。警察官の声を聞いてもあまり良い声を聞けなかったのが本当に残念だった。しかし、外観のデザインは、とても特徴的で、上にいく毎に大きくなっていくファサードとなっている。柔剣道場やその上のギャラリーを設けるといった使用用途からこのような形状になったらしく、構造体としての緊迫感を十分感じる。また隣が大きな公園という立地条件から遠くから見てもポツンと一際目立っていて歩行者の目を引くことができるだろう。
そういった意味で目立つ建築としては十分役目を果たしているように思える。しかし、建築とは果たしてそれだけでいいのか、と自分としては疑問が残る結果となった。(小野良介)
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